1. TOP
  2. JOURNEY
  3. Explora en Torres del Paine
INDEX
目次

エクスプローラー・トーレス・デル・パイネ

Explora en Torres del Paine

冒険するなら圧倒的がいい
大地の力が滾る、自然回帰の旅

パイネ国立公園最大の山の圧倒的な存在感。眼前に広がる湖と流れ出る滝の音が心を打つ。手付かずの自然を五感で存分に味わい、記憶に刻む。パタゴニアを旅する真の意味を理解する瞬間だ。

エクスプローラー・トーレス・デル・パイネ |トーレス・デル・パイネ国立公園 チリ

ペオエ湖から迸るサルト・チコの水音が絶え間なく響く。このサルト、すなわち滝の傍に佇むのが「エクスプローラ・トーレス・デル・パイネ」だ。パイネ国立公園の中心をなすパイネ・グランデ山の南に1993年に誕生した、この地のホテルとしてはパイオニア的存在である。パタゴニアに西洋人が本格的に入植した世紀、入植者は先住民を半ば駆逐して土地の占領を試みた。しかし、厳しい自然の前にその目論見は捗々しく進まなかった。そのおかげで無闇な開発がなされず、手付かずの自然が今も残されている。エクスプローラは、この自然を守るために作られたホテルである。6000の土地の%を保護地域とし、生物の生息観察に力を注いでいる。またCO2排出実質ゼロを達成し、所有地のみならず地域とも連携して持続可能性を追求している。それと同時に、快適で機能的なステイをゲストに提供することにもこだわる。ただし、世俗的で華美にすぎる快楽には走らない。パタゴニアの大自然をストレートに体感できることを念頭に置いたシンプルかつミニマルな世界観に貫かれているのだ。地元のチェリーウッドやイトスギを多用した温かく心地よい空間は、エクスプローラが目指すリトリートの本質を静かに語りかけてくる。ゲストはそれを五感で受けとめるだけでいい。

人にも自然にも優しい
真摯な哲学をもつ生命の息吹に満ちたリゾート

目覚めるとパイネ・グランデ山と二つの岩峰“パイネの角”の美しい景色が眼前に広がっている。日が昇るにつれ、光を浴びて山々は光り輝く。窓から見えるこの風景は一体現実なのだろうか、夢なのではないかとさえ思えてくる。しばしば絶景を一幅の絵のようだと例えることがあるが、どんな優れたアーティストであっても氷河が長い時間をかけて作り上げたこの造形を凌駕する作品を作ることはできないだろう。

そんな土地の魅力を熟知しているこのホテルは、全てを自然優先で整えている。インテリアも然りで、窓からの眺めを主役とするため、明るい色味の天然木とナチュラルカラーのファブリックで視界に余分な刺激を持ち込まない。

窓の外と内が絶妙のバランスでシンクロしているので、室内にいることを忘れてしまうほどだ。朝食のあとはホテルの周囲を少し散歩する。木製のトレイルを頼りにすればより小高い見晴らしの良いところへたどり着ける。天候が許せば湖に山並みが綺麗に映り込む様をも見ることができるだろう。しかし、夏でも雨が降りやすく、一日の間に目まぐるしく天気が変わる土地ゆえ、予報が芳しくない時は思い切ってロッジの中でのんびり過ごすのもいい。パブリックスペースはオフホワイトを基調としたインテリアで、外光を巧みに取り込んでコージーな雰囲気を醸している。ともかく、ラウンジのソファに陣取り、心を空っぽにして窓から外を眺めてみよう。街中では望むべくもないデトックスタイムだ。チリに入ってからすっかり虜になったワインが傍らにあれば完璧。何もしない贅沢をただひたすらに味わう、至福の時間だ。

Suite Room

全49室のうち、スイートは6室。広さは42m²、ごくシンプルなインテリアだが、窓から見えるパイネの山々の雄大な景色が何よりも素晴らしく、穏やかな気持ちにさせてくれる。ファブリックも湖や山肌を思わせる色調に統一されているところが心憎い。余分を排除し、唯一の装飾であるモノクロームの写真が視覚に効果的なアクセントをもたらしている。アクティブな一日を過ごした後にほっと寛げる空間だ。バスルームに備えられている自然素材100%のアメニティは全てエクスプローラーのオリジナルで、香りも心地良い。

環境保全に力を入れているエ クスプローラのオリジナルのマ グボトルは、ロゴも含めデザイ ンがスタイリッシュ。旅の小さ な思い出に持ち帰ろう。

Spa

ロッジから100mほどのところにスパ施設がある。ガラス越しにパイネの岩峰と湖を望む温水プール、アクティビティで疲れた体を芯から解きほぐしてくれるスチームサウナ、そして、オープンエアのジャグジーも。パイネ湖を眺めながら冷たい一杯を楽しむのは愉悦の時。

Lounge

食前酒や食後のひと時を過ごすにふさわしいロケーション。パイネの山々を見つめながら、今日一日のこと、明日の計画を考えながらひとしきり物思いに耽る。
湖と山を眺める窓際にはソファやカウチが配置されたラウンジになっている。パブリックスペースではあるが、プライベートなリビングのような雰囲気をも醸している

Choose Your Table In nature

望めばそこがダイニング

自然を大いに楽しんだ後は、美食の愉楽に浸りたい。野生の刺激をたっぷり受けて興奮した五感を宥め、張り詰めた神経をほぐすことが一日の終わりには重要なのだ。エクスプローラはこうした“オン&オフ”をよく理解している。食の充実を声高に語らないが、ダイニングに向かえばその本質はすぐに伝わってくる。

Picnic Lunch

パタゴニアは馬とともに生きることが必定である。草原や森、川と変化に富んだ土地を自在に動くには馬が一番だからだ。聡明な馬は大事なパートナー。自然の中では彼らとの信頼が築けると心強い。エクスプローラでは半日程度の乗馬プログラムがさまざまに用意されている。例えば、朝から馬の背に揺られてパイネの雄大な世界を堪能した後、ピクニックランチを楽しんではいかがだろう。同じ時間を過ごした馬が親しげに寄ってきてテーブルを覗き込む。言葉はなくても気持ちが通い合う。友と過ごす最高のランチタイムだ。

まず、バーカウンターが親しげな雰囲気を醸している。一杯のカクテルは抗いがたい魅力を放ち、食事の前に軽く食欲をセットアップしようという気持ちにさせる。ゆっくりと味わううちに、体の隅々までリラックスしていくのがわかる。頃合いを見計らってテーブルへ。セッティングはクリーンで簡潔、余分な装飾は一切ない。サーブされる料理が主役であり、食べ手が心置きなく皿上に集中できるように計算されているのだ。

Bar

コクーンのような居心地の良さを感じさせる全体が木で覆われたバー。フレンドリーなバーテンダーが得意とするのはフレッシュフルーツを使ったオリジナルカクテル。

Restaurant

スターターとアペタイザーが複数並ぶメニューからそれぞれ一つずつ選ぶのだが、文字を追うだけでここは期待できると直感する。地元の食材を使いこなしている様子が伝わってくるのである。果たして、現代的なセンスで仕立てられた料理は、しみじみとした美味しさに満ちている。素材本来の力を的確な調理で引き出し、調味は必要最低限に抑えているから、食べ進むごとに新しい美味しさに遭遇する。プレゼンテーションもテクニックに走ることなくごくシンプルで、「さぁ食べて!」と言わんばかり。食とは畢竟、心への滋養であり、圧倒的な大自然の中では豪奢な美食は不要。冴えた味こそが心に響くのである。芳醇なチリのワインと共に食事を楽しんだ後はデザートが待っている。これもまた季節のフルーツを中心にした優しい味わいの皿が揃う。甘美な余韻に酔いしれながらふと窓の外を見やると宵闇が辺りを覆っている。明日の冒険に期待を膨らませながら、満ち足りた今日一日の幕を閉じよう。

どの席からもペオエ湖と山並みが見えるダイニング。窓の外の景色と同系色のファブリックや家具はすっきりとしたミニマルなデザインで、上品なラグジュアリーを演出。

料理は地元産の野菜や果物がふんだんに使われている。スターターは野菜のクリーミーなスープや牛肉のカルパッチョも良いが、色とりどりのサラダが白眉。ラズベリービネガーを使ったオリジナル・ドレッシングを試したい。メインは肉、魚、ベジタリアンからセレクト。チリ原産のジャンボコーンが主役のシチューなど、伝統野菜の旨味を生かした料理がとりわけ美味だ。ビュッフェスタイルの朝食ではぜひフレッシュフルーツやコーヒーを。香り、味わい共に鮮烈で、朝の頭をすっきりと目覚めさせてくれる。アクティビティの中でもぜひ試したいのがBBQ。ハイキングの後、BBQ小屋へ。炭火で焼いた羊や牛を絶景とともに味わうのは地元ガウチョの伝統的な体験である。

It’s a Big World Out There, Go Explore

ペオエ湖畔に立つエクスプローラ・トーレス・デル・パイネは国立公園の中心に位置する。つまり、公園内のあらゆる場所へアプローチできる絶好のロケーションだ。心の地図に従い、一歩一歩大地を踏みしめよう。その先にはまだ見ぬ美しい景色が待っている。

Hiking

ホテルを一歩出て周辺を少し歩いてみるだけで、パイネ国立公園のほぼ中央に位置するというアドバンテージを実感できる。そのほかにもエクスプローラではガイド同伴のさまざまなハインキングアクティビティを用意しており、希望と体力レベルに応じて相談に乗ってくれる。

Grey Lake

パイネ国立公園の北西からグレイ氷河が流れ込む湖。湖付近から歩き、森を抜けて湖畔に出る2時間半のコースで、展望台からは氷山が無数に浮かぶ湖、そして氷河、右手にパイネ・グランデ山という圧巻の眺めを堪能できる。

Cerro Paine Grande

万年雪をいただく標高3050mのパイネ・グランデ山は4つの峰からなり、東側にはフランセス氷河を従える。さらに東にパイネの角と呼ばれる二つの岩峰と並ぶパイネ・グランデ山の景色はこの国立公園が誇る圧巻のハイライトだ。

Laguna Amarga

アマルガ湖は、パイネ国立公園の東の外側に位置するが、高いpHがもたらす独特の青色の水は鏡のように静謐で、フラミンゴや野生の生き物のサンクチュアリ。さらにそこにトーレス・デル・パイネの岩峰が映る様は息を飲む美しさだ。

Lake Pehoe

パイネ国立公園の中で最も美しいとも言われるペオエ湖。エメラルドグリーンの湖水とパイネ・グランデ山、パイネの角が織りなす景色はパタゴニア有数と讃えられる。湖畔を歩くハイキングのほか、船に乗って湖を巡るのも良い。

Torres Del Paine National Park, Chile. Sunrise at the Torres lookout.

Paine Waterfall

氷河と多雨のおかげで湖は水量が多く、そこから流れ出す滝も高低差はさほどでなくともかなりの迫力がある。特に、ノルデンフェールド湖からペオエ湖に流れるサルト・グランデはパイネ・グランデ山を背景にした見事な滝だ。

Del Toro Lake

トーロ湖は、パイネ国立公園南側に位置する最大の湖。湖畔からはクエルノス・デル・パイネ、つまりパイネの角を正面に見ることができる。湖付近まで車で行き、見晴らしの良い場所へ向かう2時間ほどのコースがおすすめ。

INFORMATION
Explora en Torres del Paine
INDEX
目次
MAGAZINE
電子書籍
2020 WINTER
- Feel in Nature
- Luxury Lodge
- Okinawa Time
- Tokyo Uodate
電子書籍はこちらから