標高3812m天空の青湖、Titicaca Lake
南米最大の古代湖、ティティカカ湖。
世界最高所の湖と言われ、インカ帝国の聖地として崇められる青湖は、
古代より先住民に豊穣をもたらしてきた。
豊潤な文明をもち、インカ帝国の発祥の地と言われる、ペルーの湖をご存知だろうか。その地域は先住民の生活様式を、未だ濃厚に受け継いでいる。そんな奇跡のような文化を体験できる、まさに「魅惑のペルー」という特集に相応しいホテルをご紹介したい。アンデス山中のペルーとボリビアの国境に跨がり、標高3,812m、世界最高所の湖と言われている「ティティカカ湖」。面積は琵琶湖の約12倍、太古の昔から数多くの高度な文明を育んできた湖に点在する小島には、現在でも先住民族が暮らしており、郷土文化を濃厚に受け継ぐ島々も存在する。この島々では、未だにインカ時代の生活様式を垣間見ることができるのだ。この絢爛な文化・文明を体験しつつ、上質な空間で時を過ごせるホテルが、ここ「ティティラカ」である。湖の西岸に突き出した岩礁の上に建ち、白壁が湖面に映える外観は、一瞥すると湖畔に建つ別荘を思わせるだろう。この洗練されたホテルは“体験”が主役というべきホテルである。どのような体験がまっているか?数々のエクスカーションや、美食体験を少しずつご紹介しよう。後は現地に出向いて、ぜひ体感していただきたい。現代に残る異文化と圧倒的な大自然に、感動という言葉では足らない体験ができるだろう
インカの伝統と文化に包まれた充足の空間湖面を眺めながら
圧倒的な自然に浸る
最上ランクの客室である、コーナールームは限定2室。2面採光の大きな窓は、ティティカカ湖の美しい景色を、最大限に愛でるために誂えられたと言っても過言ではない。サンセットとサンライズがどちらも鑑賞できるのが特徴だ。
現地の民族が編んだ絨毯や、小物もインテリアとして飾られ、温かみのある客室である。
ティティカカ湖の豊穣な恵みを味わう美しい料理の数々
ティティラカでの滞在の楽しみの1つは、メインレストランでの美食体験だろう。リマ出身の
シェフにより、伝統のクリオーヤ料理が、モダンな逸品へと昇華された数々の料理が味わえる。
美食体験だろう。リマ出身のシェフにより、伝統のクリオーヤ料理が、モダンな逸品へと昇華された数々の料理が味わえる。朝から晩まで、何を頼んでもオールインクルーシブなので、毎日気分を変えて楽しもう。特にアンデスの豊かな食材と他国の食文化を融合させたディナーメニューは全て制覇したくなるほど、どれを食べても絶品だ。毎晩、18時30分からはアペリティフタイムで、ロビーでカクテルやチーズがふるまわれる。19時から21時までディナータイムで、予約も不要。自由な時間にレストランへ行き、アラカルトで好きなだけオーダーできる。シュガーフリーのデザートや、グルテンフリーメニューも用意され、様々なゲストに対応している。キヌアのスフレやアルパカ肉のカルパッチョなど、地場で獲れた食材をモダンにアレンジした料理が人気。
近隣のプーノ市内からわざわざレストランの利用目的で訪れる客もいるというのも納得である。
先住民の足跡を辿り悠久の時を感じるピクニックランチ
「ティティラカ」が世界中のトラベルジャンキー達の心を鷲掴みにして離さないのは、その多彩なエクスカーションによるものが大きい。ティティラカが提供する異文化体験を求め、英国のロイヤルファミリーや欧米のエグゼクティブも多数訪れている。エクスカーションのメニューは多岐に渡り、1日をかけて楽しむフルデイツアーから2時間で終わるショートコースまで、ゲストの好みに合わせて選択可能だ。ティティカカ湖に浮かぶ島々への専用船でのボートツアー、湖周辺に点在する古代インカ帝国の遺跡巡り、現地民族との交流、バードウォッチング、星空観測、マーケット見学など、現地を知り尽くした専任のガイドが、好みに合わせて提案してくれる。しかも、これらのエクスカーションのメニューは、ほぼ全てがオールインクルーシブで宿泊費に含まれているのだ。充実したメニューばかりなので、ホテルに到着したら、まずはガイドと共に滞在時のスケジュールを組み立ててみるのがお勧めだ。ティティカカ湖が観光名所として本格的に注目され始めたのはここ数年のことだが、ここは数日では足りないほどに魅力に溢れた地域である。
ぜひ、一度体感して欲しい。
UROS FLOATINGIS LANDS
湖上の民、ウル族が暮らす浮き島のウロス島を訪ね
古代インカ時代の生活に触れる
ティティカカ湖の沿岸近くに見えるウロス島は、 島全体が「トトラ」と呼ばれる葦で作られた浮き島であり、先住民族のウル族が住む。一説によると、1630年頃に、スペイン人からの侵略を逃れるために造られ始めたと言われている。大小100程度の浮島が集まり、約1500家族、5000人程度が暮らす。一部の大きな島には、学校、 教会、市役所、病院など、一通り揃っており、 ソーラーパネルによる太陽光発電も行っているのには驚く。ウル族の主な生計は、湖での鱒漁と「トトラ」を使った民芸品の販売。 観光客相手とは言いつつも、決して商売熱心ではなく、 屈託のない笑顔で自分達の浮き島に招き入れてくれる。ユニークなのがウル族同士の結婚だ。夫婦になると、夫の浮き島と妻の浮き島を繋ぎ合わせる。逆に、喧嘩別れした場合は、ノコギリで切って浮き島を分離してしまうという。
質素ながら逞しく生きる湖上の民と触れ合い、古代インカ時代の暮らしを垣間見て欲しい。
TAQUILE ISLAND
近年まで閉ざされていた世界無形遺産の島
比類なきタキーレ島へ
タキーレ島は、人口約1600人のケチュア族の島。 半世紀ほど前までは、島民以外は立ち入ることさえ許されておらず、旅行者が気軽に訪問できるようになったのは、比較的最近のことなのだ。ツアーではボートで上陸し、600段余りの階段を登り、村の中心へ向かう。この島は、 電気も水道も無く、自給自足、相互扶助のスタイルで成り立っているそうだ。ウロス島同様、 スペイン人の侵略によって共存の意識が芽生えざるを得なかった過去を持っている。この自給自足の島の生計を支えているのは、農業と伝統的な織物だ。男女分け隔てなく機織りをす るのも特徴的で、村人の日常的な服装や文化もユニークだ。男性は手編み帽子を被り、女性は黒いポンチョを身に纏う。女性のポンチョに付いている飾りが大きければ既婚者、男性の被る帽子の先が白ければ、未婚者なのだという。 貴重な織物の技法を数千年に渡って継承され、 比類なき技法は島の文化的空間と共にユネスコの無形文化遺産に登録されている。文字を持たなかったケチュア文化において、刺繍で描かれるのはタキーレの暦や文様は重要な役割を果たしている。
そこには彼らが受け継いできた伝説や文化が織り込まれているのだろう。
古代インカの路を訪ね歩く
護り継がれしは古き人々の美しい暮らし
豊穣かつ神聖ティティカカ湖と共に生きる民族たち
赤く色づくキヌアが、収穫時期は畑一面の
黄 金色となる。キヌアは栄養価が高く、
特にペルー産のキヌアは高級で、味にも優れている。
湖周辺の民族にとって、織物作りは重要な生業の1つである。女性も男性も年齢にかかわらず、器用に機織をこなし、色彩豊かな糸を編む。この地には、結婚すると自分で織った腰巻きや髪飾りを互いに贈り合うという、何ともロマンティックな風習が残されている。