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パームスプリングス

Palm Springs

砂漠のオアシス、パームスプリングス

 アメリカ、特に西海岸になじみのある方なら「パームスプリングス」という地名をご存じだろう。ロサンゼルスから東に180㎞ほど行ったところにある、砂漠の中の高級リゾート地である。本国やカナダの富裕層が好む、瀟洒な避寒地としてよく知られた存在だ。砂漠特有の景色や気候の良さはもちろんだが、アメリカのテイストやカルチャーが凝縮されたその雰囲気もまた“アメリカ好き”の人たちには堪らない魅力を有している。

 この「パームスプリングス」という地名は、温泉が湧くことに由来する。先住していたネイティブ・アメリカンのカウイヤ族は、この地を温泉の意味をもつ「セキ」と呼び、その恩恵に預かっていた。近代の地質調査によると、この温泉は近隣の水系からは独立したもので、1万年以上前の雨水や雪解け水が湧き出ているのだという。このミネラルをたっぷりと含んだ古代の水に注目が集まり、すでに20世紀初頭からウエルネス・デスティネーションとして認知が高まっていたという。

 富裕層が集う避寒地となれば、欠かせないのがゴルフだ。「ゴルファーズ・パラダイス」とも呼ばれるこの地にはゴルフ場が18ホール単位で100コース以上あり、GPAツアーも開催可能なトーナメントコースから気軽なリゾートコースまで幅広く揃っている。そもそもロサンゼルスを含めた南カリフォルニアは砂漠地帯であり、年間300日以上も晴れるという土地柄。冬でも15~17度の気温があり「ゴルファーズ・パラダイス」の名も納得である。

 もうひとつ、この街を有名にしているのがミッドセンチュリー・モダンの建築群。ロサンゼルスから車で2時間ほどという絶好のロケーションのおかげで、ハリウッドのスターたちが競うように別荘を建てたのだ。ウォルト・ディズニーやフランク・シナトラ、エルビス・プレスリー、エリザベス・テイラーらの邸宅は今も残され、その幾つかは建築ツアーなどで内部の見学も可能だ。そして現在もカーダシアン/ジェンナー家など、アメリカのセレブやアーティスト、富裕層たちが本宅もしくは別荘の形で居を構えている。そのためこのエリアにはゲート・コミュニティが数多く存在し、想像を絶する大邸宅が立ち並んでいる。こうした富裕層住民が育んできた街の雰囲気もまた洗練されており、大きな魅力のひとつとなっている。

 このように、パームスプリングスはウエルネス、スポーツ、カルチャーと多様な魅力を備えており、誰でも興味があるトピックに出会える洗練されたリゾート地だ。今回は、この豪邸が並ぶパームスプリングスならではのリッチな雰囲気を味わえるよう、1泊単位でも宿泊が可能なゴージャスなヴァケーション・レンタル(貸別荘)を案内したい。送迎はもちろん、専属シェフの手配やパーティーのオーガナイズなど宿泊者の要望に応じた様々な依頼も可能だ。

休日旅行にセレブが集う、別荘レジデンス

VILLA PS MODERNE ONE

「ヴィラPSモダン・ワン」は、プライベートゲート・エリアに位置する全20棟のゴージャスなレジデンスのコレクションだ。それぞれのレジデンスがミッドセンチュリー・モダン建築のスタイルを有しており、1軒あたりの面積は約242㎡から418㎡とゆったりとした造りになっている。これらのユニークなデザインのレジデンスにはインドアとアウトドアをシームレスに繋げた、パームスプリングスらしい開放感あふれるリビングルームが備わっている。そのほかにも戸建てゲストハウス、プールカバナやキッチン設備を含むアウトドア・スペース(サボテンと白い石で作られた枯山水風のデザインガーデンなどがあることも)、アメリカの家には欠かせないバーベキュー施設、メディア&エンターテイメントのための施設、デュアルシャワーが付いたバスルーム、砂漠の借景と印象的な対比を見せるプランジプール(さらにスイムアップバーが付いたレジデンスもある)、気温が下がる夜には嬉しいファイヤースポットなど、滞在者が選択できるオプションが充実している。

パームスプリングスのダウンタウンの中心にありながら静寂に包まれたオールド・ラス・パルマスに位置し、この特別なコミュニティがもたらすエクスクルーシブさ、優れたロケーション、ドライフォールズを間近に望む眺め、究極のプライバシーなどのおかげで、あたかもこの地の住人のようなリッチな休暇を楽しむことができる。それこそが、ここパームスプリングスを象徴するライフスタイルの真髄といえるだろう。

VILLA RC MIRADA

サンタローザ山脈の高原に位置し、27万エーカーを超える息をのむような景色と大自然に囲まれた「ヴィラ CR ミラダ」。ランチョ・ミラージュのザ・リッツ・カールトン・リゾートに隣接する、24時間警備されたゲート内のコミュニティだ。この小さなエリアはコーチェラ・ヴァレーを360度見渡す素晴らしい眺望を持ちながら、滞在者が必要とする各種の利便性が確保されている。例えば、ゴルフクラブやハイキング・トレイルなど一流のレクリエーションにも程近い。各レジデンスのサイズは2~5ベッドルーム、約372~929㎡の面積があり静けさに満ちた隠れ家と呼ぶにふさわしい存在だ。

写真で紹介しているレジデンスは敷地が半エーカー(約4000m²)ほどもあり、居心地の良いオープンコンセプトの空間はドラマティックな大きな窓と引き戸になったガラスの壁によって、エレガントなパティオに囲まれたデザインプールや岩山が迫る屋外の眺めとシームレスに融合している。グラマラスなグレーのソファとアイボリーのアームチェアが、壁に直線的に切り取られた暖炉を囲む。自由に行き来できるリビング、ダイニング、キッチンはゲスト同士の自然な動きを促し、もてなしの場としても最適だろう。ベッドルームは5部屋あり、最大で10名のゲストを迎え入れることが可能。どの部屋も彫刻のような輪郭を生かし、芸術的で洗練された雰囲気を醸し出している。コスモポリタンかつシックでありながら、荒野の端に位置するこのレジデンスは乾いた大地と雄大な山のシルエットの荒々しい美しさに包まれているのだ。

VILLA GRANDE ESTATE

パームスプリングス地域のなかでも特筆すべきエリアが「ランチョ・ミラージュ」だ。全米からセレブリティが集まるパームスプリングスの中でも、ランチョ・ミラージュを象徴する存在といえば、アメリカ大統領である。ここを終の棲家としたジェラード・フォードをはじめ、アイゼンハウアー、レーガン、オバマなど、ゆかりの大統領を枚挙するに暇がない。60年代のリチャード・ニクソンの時代には“西のホワイトハウス”と呼ばれ、ジョージ・H.W.ブッシュは当時の海部俊樹首相や故エリザベス女王をこの地に招いている。こうしてランチョ・ミラージュについた異名が、“大統領の遊び場”なのだ。

 そんな土地柄に相応しい、とびきりゴージャスなヴァケーション・レンタルを紹介したい。この「ヴィラ・グランデ・エステート」は、町の中心部から数分の場所に位置する守衛付きの壮大なプライベートリゾートだ。広大な敷地にはカヌーやSUPができる3つの湖や滝、ラスヴェガス・スタイルのプールなど、単に施設と呼ぶのが憚られるような“建造物”が装備されている。1700㎡以上という面積の邸宅には15室のベッドルームを有し30名の宿泊が可能だ。壮大なボールルームをはじめフォーマル・ダイニングやワイン・テイスティング・ルームなども用意され、公式の社交にも充分に対応できる。一方で噴水のあるテラスや椰子の木陰が揺れるプールなど、家族や友人とのリラックスする場所もふんだんに揃う。大統領の遊び場での、一生の思い出となるに違いないエステートである。

The Ritz Carlton Rancho Mirage

 パームスプリングスには行ってみたいが、滞在はホテルで手軽に…という方に提案したいのが「ザ・リッツカールトン・ランチョ・ミラージュ」だ。パームスプリングス、コーチェラ・ヴァレー、サンジャシント山脈を見渡す絶好のロケーションにあり、パームスプリングスの中心からも車で45分程度。近年のロビーやパブリックエリアを中心とした改装によりモダンで落ち着いた雰囲気が漂う。おすすめの客室は「ザ・リッツカールトン・スイート」(152㎡)。さらに広いタイプの客室もあるが、このスイートは高いフロアに位置しているのでより見晴らしが良い。またスイート宿泊客専用のクラブラウンジがあり、決まった時間にドリンクや軽食、朝食を楽しむことができる。
ダイニングは施設内に3カ所。「ジ・エッジ・ステーキハウス」は店名通り。

また洗練されたインテリアの「ザ・リッツカールトン・スパ、ランチョ・ミラージュ」は、全16室のトリートメントルームの多くにプライベートテラスがついている。砂漠のハーブやミネラルを使った、この土地のパワーをいただくようなトリートメントはぜひ体験したい。

◾️INFORMATION
カリフォルニア観光局
https://www.visitcalifornia.com/jp/
グレーターパームスプリングス観光局
https://www2.t-expo.jp/exhibitors/view/ja/46829/btoc/

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