標高差300m、孤高の天空ロッジ
この一望が探検への欲望を掻き立てる
マサイマラ国立保護区はケニア最大の野生動物の王国だ。そのマサイマラを見下ろす最高の立地に立つのがアンガママラ。テントスタイルながらも、世界中から集まるゲストたちに都会と変わらない極上のステイを約束してくれる。野生を知り、マサイ族の文化を知る、そんな稀有な宿へ。
ケニア最大の野生動物の王国といえばマサイマラ国立保護区だ。首都ナイロビからウィルソン空港まで車で移動すること30分。そこから国内線に乗り換え、アンガママラ空港まで約50分の空の旅。空港に到着してタラップに降り立った途端、アフリカのサバンナを思わせる乾いた熱風が頬を撫でる。ここが大いなるマサイマラの入り口なのだ。2016年月にオープンした「アンガママラ」はマサイマラを見下ろす高地に立つラグジュアリー・サファリロッジ。グレートリフトバレーと呼ばれる大地溝帯の圧倒的なスケールを実感できる最高のロケーションにある。アンガママラとは「空中に吊るされた」という意味のスワヒリ語「アンガマ」に由来するのだが、それはいざロッジに到着してみれば一目瞭然。まるでサバンナ上空に浮かんでいるかのような感覚にとらわれることだろう。アフリカというと一見危険なイメージがあるかもしれないが、ここでは全くそういう感覚はない。アフリカ奥地にいるというのに都会にいるかのように不便を感じない、そんなリゾートなのだ。
マサイマラは面積1,812km²の広大な国立保護区で、東京23区の約2.5倍の広さに相当する。ビックファイブと呼ばれる大型野生動物。マサイマラを300m眼下に見下ろすアンガママラでこれから過ごす貴重な時間は生涯忘れられない記憶となり、野生動物たちの光景とともにゲストたちの心に永遠に刻み込まれるはずだ。
Tent Suite
清冽な空中に浮かぶ、サファリテントの最前線
アンガママラはサファリロッジとはいえ、ゲストがストレスなく過ごせるようさまざまな配慮が施されている。アフリカにいるとはいえ、ここでは都会の生活と変わらない快適かつ充実した滞在を思う存分に楽しむことができるのだ。建物は環境に溶け込むサファリスタイルを踏襲しつつも近代的かつ落ち着いた作り。700もある敷地内にあるのはロビーやレストランがある棟のメインキャンプと、棟の客室テントのみ。テントではあるが、その作りはヴィラと呼ぶにふさわしく、広大な敷地での開放感が生み出すエクスクルーシブな時間を堪能できる。エレガントなテントスイートにはリビングルーム、ベッドルーム、バスルーム、さらにトイレからでもマサイマラの眺めが最大限楽しめるように設計されている。天井から床まで届くガラス窓は戸外の風景と一体化するように作られており、室内でくつろいでいる時でもまるでサファリの一部になったかのような感覚である。
広いテラスにテーブルをセットアップし、インルームならぬテラスダイニングでのディナータイム。徐々にピンク色に染まるアフリカの夕日を見ながらの極上ディナーは思い出に残る大切なとびきりのひととき。
テントという呼び名の通り、床をのぞく三面は全てキャンバスで作られており、外観はサファリに溶け込むクラシックなサファリオリーブ色に、一方内部は明るく落ち着いたクリーム色で仕上げられているのも魅力だ。
Dining
マサイの文化が薫る、納得のガストロノミー
アンガママラでのダイニング体験は、その日のゲストの気分やプログラムに合わせるフレキシブルなスタイル。好きな料理を好きな時間に、好きな場所で味わうことができるのだ。例えばレストランのテラスは円形コーナーにファイヤーピットを備えた、眺めの良い特等席での食事は格別なひととき。
テントスイートのマサイマラを見下ろすテラスはもちろんのことプールサイドや図書室の暖炉の前など、いつでも好きな場所にテーブルセッティングが可能。朝食、ランチ、ディナーはもちろんのことアフタヌーンティーからアペリティフ、さらに屋外に飛び出してのサファリピクニックまであらゆるリクエストに答えてくれる。長期滞在する際、ストレスフリーな日々の食事は重要不可欠であり、これほど心強いサービスはない。アンガママラの料理コンセプトはシャンバから直送するファーム・トゥ・ザ・テーブル。シャンバとはスワヒリ語で「菜園」を意味し、敷地内で自家栽培する新鮮な野菜や果物が常に食卓に登場し、パンは毎日焼きたてだ。その日取れた食材によって組み立てるメニューはサファリフードを中心にした日替わりで、全てがアラカルト。ベジタリアンやビーガン、成人病などにも対応可能なのも嬉しい限り。サモサとチキンの串焼きや、マサイ・ハニー・ビスケットなどの伝統料理は滋味にあふれ、より深くアフリカの料理文化を体験したいときはニャマチョマ、ウガリなどもおす
敷地内にあるシャンバ(菜園)から取れた新鮮な野菜や食材を使ったサファリフードはヘルシーでランチタイムには最適。あわやひえなどの雑穀や脂肪の少ない鶏胸肉などを使い、独特のスパイスを効かせたアフリカン・キュイジーヌを是非。
Experience at
Angama mara
暮れなずむ大地との饗宴マサイ族と
時をすごすサンダウナーの夕べ。
アンガママラはマサイ族が暮らすマサイランドの中心部にあり、サファリ体験とともにマサイ文化と触れ合えるのも独自のサービスだ。夕暮れ時にはマサイスタッフのサーブでサンセットやカクテルを共に楽しむこともできる。マサイ族と会えるアクティビティは他のホテルでもあるので施設内にあるサンダウナにマサイ族予備サンセットやカクテルを楽しめるのはアンガママラ独特。マサイ族とはケニアからタンザニアにかけて暮らす遊牧民族で、人口は20〜30万人といわれている。アンガママラはマサイ族とその文化を尊重し、従業員の大半はマサイ族出身で、シャンバやサファリを案内するガイド、植生や自然に詳しいナチュラリスト、パン職人、キャンプマネージャーは全てマサイ族である。
ロッジ内に滞在しているとつねにマサイ族のスタッフと接することができ、多くの食材や必需品も購入し常に共生することを目指している。そうしたマサイ族のスタッフがゲストに特別なサービスを提供してくれる。彼らと共にサファリを歩きながらその文化や暮らし、知識などに耳を傾けるのはまたとない貴重な体験だ。結婚式や誕生日などの大切な日にはマサイ族の慣習に則った独自のスタイルでゲストを祝福してくれるので、滞在する際は是非ともマッチングさせておきたい。
Hilltop Picnic
ロッジを抜け出してマサイマラにあるとっておきの丘の上で二人だけのピクニックタイム。そんなわがままなリクエストにもアンガママラは応えてくれる。シェフ特製のピクニック・ランチ・ボックスは焼きたてのパンに伝統のケニア料理。海岸部のアラブ風スワヒリ料理とインド料理の影響を強く受けたスパイシーな独自の味付けはサファリでのランチタイムに最適。
海岸部のトロピカルフルーツやナイロビ近郊で作られるさまざまなチーズ、マリンディ産のエビ、ビクトリア湖の淡水魚など、メニューは日替わり。サファリにいても快適なピクニックはアンガママラならではのとびきりのホスピタリティ。
BBQ in the Bush
ホテルから車で数分の場所にある森の中で特別なシグネチャー・バーベキュー・タイム。普段では体験できない特別なシチュエーションでのランチタイムはまた格別。専属の料理人がステーキや伊勢海老を焼いてくれる。さらにククと呼ばれるスパイスを効かせた鶏肉料理は定番の人気アイテム。
森の中を照らすのはランタンのほのかな灯りのみ、サファリの夜をロマンチックに盛り上げてくれる。サファリの夜は意外と冷えるのでラグの温もりもまた、忘れられない思い出の一つである。通常、夜のサファリで食事をするのは難しく、いつまでも長く記憶に残る、忘れられない稀有な体験ができるはず。
Afternoon tea
サファリを見下ろすテントスイートのテラスでのアフタヌーンティーはかけがえのないひととき。サファリ巡りに疲れたとき、あるいは美食三昧に疲れ気味な日にもいいだろう。アフタヌーンティーとはいえボリュームは盛りだくさんでフルーツや焼きたてのパンを使ったサンドイッチ、一口サイズのタルトレットやセイボリーなど選ぶのに迷うほど。シャンバで採れた果物を使った自家製のジャムも実に美味。アフリカの洗練された味を満喫するまたとない機会。
Spa
テラスにベッドをセッティングし、全身スウェーデン式マッサージとボディトリートメントは至福の時間。マッサージのあとに手足の爪を手入れしてもらうマニキュア&ペディキュアトリートメントも人気。また、ベッドを2台使ったカップル・マッサージも2人でのリラクゼーションには最適だ。長身のマサイ族は牛乳やウガリと呼ばれるキビ料理が主食なのでとてもヘルシーでスリム。
マサイ族の知恵は食生活のダイエットにもいかせそう。テラスに置かれたマッサージベッドに身を横たえていると、アンガママラに吹くアフリカの風が実に心地よく、心身ともにリフレッシュしてくるのを実感できる。
躍動する野生動物人を沈思させる体験
マサイマラ国立保護区はアフリカ屈指の雄大で手付かずの自然が残る保護区として知られており、国立公園に比べて規制が緩やかなので思い切って動物に近づくことも可能だ。特にアンガママラがある西マサイマラはサファリカーの数も少なく、国立保護区内もきちんと整備されているので快適なアニマル・ウォッチングが楽しめる。
ドライバーがエキスパートなのでビッグファイブが見れる確率も格段に高くなるはずだ。そのハイライトは数百万頭のヌーが命がけで川を渡るグレートマイグレーション国境を越える命がけの大移動であり、ビッグファイブと呼ばれる大型野生動物との邂逅だ。またグレートリフトバレーに沿ってヘリコプターで数日旅をするなど、探検家顔負けのツアーも用意されている。