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TWILIGHT EXPRESS 瑞風

麗しき山陽をホテルが走る 10両編成ながら、その定員は最大34名という、次世代の豪華寝台列車だ。 一両まるごとスイートルーム

先代のイメージカラーである深緑を基調としつつ、西日本の伝統工芸で彩った車内空間。

TWILIGHT EXPRESS瑞風は、かつて大阪から札幌のコースを結び、2015年に惜しまれつつも引退したトワイライト・エクスプレス(Twilight Express)の伝統と誇りを引き継いで誕生した。
また世界的にも珍しい 1両で1室のザ・スイートを備え、一段とラグジュアリーさを増した。

瑞風が駆け抜ける西日本のコースには、京都や宮島、出雲といった日本文化の真髄と言える古都、また瀬戸内海や日本海といった日本の原風景とも呼ぶべき美しき自然が瑞風には今もなお残されている。
豪華ホテル顔負けのホスピタリティーと、一流のシェフが監修する西日本の食材による食事。瑞風の随所へのこだわりが列車の中という事を忘れさせる。
一生に一度はぜひ、ご乗車いただきたい、”走る豪華ホテル”が瑞風である。

車内スイート

【瑞風スイート】

ザ・スイートは1両がまるまる1室となった、豪華ホテルのスイートルームに相当する客車だ。瑞風の7号車全てがこのザ・スイートとなっている。瑞風の車内は寝室のほか、リビング・ダイニング、バルコニー、バスルームを備えた豪華さ。「美しい日本をホテルが走る」が瑞風のコンセプトだが、その最上級がこのザ・スイート。なんとバスルームにはバスタブまで完備され、寝室のベッドは収納式でなく、ホテルサイズの固定式ツインベッドである。このバスタブは列車が揺れてもお湯がこぼれない特殊な造りとなっており、西日本の車窓を楽しみながら、湯舟でゆっくり疲れを癒すことができる。枕も好みの硬さが選べ、ゲストの居心地の良さを徹底的に配慮している。列車旅の部屋は狭いという、今までの常識を覆した部屋が、瑞風にしかないザ・スイートなのだ。1両を丸ごと貸し切って楽しむプライベートな時間は贅沢そのもの。瑞風の広いリビングで車窓を眺めながら、電話1本でバトラーがドンペリニヨンでもクリスタルでも・・・・もちろんグラスはクリスタルだ。列車内とは思えないファシリティとクルーのおもてなしコース、そして壮大な車窓が同時に楽しめる。ザ・スイートでの滞在は部屋にいるだけで、素晴らしいエンターテイメントなのだ。

ザ・スイートは 701号室。
鍵にはザ・スイート限定の瑞風カラーの
キーホルダー。
ボックスまで伝統工芸品だ。
瑞風のためのオリジナルデザインを
考案している。

モダンと伝統の融合 さながら走る ”美術館”

ノルスタジック・モダン

瑞風は日本伝統の色彩とモダンなデザインを見事に融合したこれまでにない斬新な車両だ。
瑞風のデザイン・コンセプトは「ノスタルジック・モダン」。洗練された上品さと心休まる懐かしさを感じられるという意味を込めている。
瑞風の流線形の極めて現代的な車体と、先代のトワイライトエクスプレスから受け継ぐメタリックな深緑を基調とするカラーリング、光り輝く金色の瑞風のエンブレムとラインがノスタルジック・モダンという名にふさわしい。

展望デッキを持つ瑞風の先頭車は特にコンセプトを感じられる場所だ。5本のラインからなる流線形の先頭と丸目のヘッドライト・テールライトモダンノルスタジック・は、旧国鉄時代の特急列車を彷彿とさせるデザインとなっている。一方で、瑞風のインテリアはノスタルジーを表現している。
昭和初期に一世を風靡したアール・デコ調をベースに、車内には多数の美術品が展示されている。またハンガーやスイッチプレート、アメニティーBOXまで、沿線の伝統工芸の職人の手によるものだ。本格的な立札式茶の卓や、京都で数百年にわたり三千家の茶道具を制作している「千家十職」の茶道具の展示も見逃せない。なかなかお目にかかることのできない美術品が列車内で鑑賞できる、さながら走る「美術館」だ。

DEPATURE FROM SHIMONOSEKI

乗車、そして宮島へ

TWILIGHT EXPRESS 瑞風「山陽上りコース」の旅は、まず地域の方々からの歓迎を受けるところから始まる。プラットホームでの出迎えを受けると瑞風は地元の方々に愛されているのだと感じる。麗しい深緑色のラグジュアリーな列車は威厳と優美さを持ち合わせている。乗車後はまず、寝台列車で初ともいえるお茶会へ。本格的なお茶のおもてなしを受け、美しい日本の豪華コースの始まりだ。

そして、ここでは瑞風の山陽コース(上り)の豪華ランチをご紹介しよう。下関駅から京都駅までを結ぶこの旅で味わえるのは、宮島の名物「あなごめし」。瀬戸内海で獲れた上質なアナゴを使用した舌もとろける一級品だ。
著名な食の匠である上野純一氏が、瑞風のために監修している。先代のトワイライト エクスプレスよりも一段と厳選されたコース料理、そして先代から受け継がれた、きめ細やかな接客が最高の旅のひと時となる。
食堂車の大きな車窓から見られる穏やかな海と、数多くの島々を持つ瀬戸内海の光景も食事への調味料となるだろう。コース内容だけを見ても、瑞風は唯一無二な列車なのだ。

STOP AT 宮島

日本文化の真髄へ

「山陽上りコース」では、まず JR 山陽本線の宮島口駅で途中下車をする。宮島口駅はユネスコの世界文化遺産にも登録された、嚴島神社がある広島県廿日市市、宮島への玄関口となる駅だ。
宮島口駅で列車を降りたら、瑞風の乗客のためだけのコースで貸し切られたフェリーでいよいよ宮島へ。全ての行程が特別であり、旅への期待感をあげてくれる。フェリーの進行方向からは、日本の美しき瀬戸内海に浮かぶ嚴島神社の大鳥居と、なだらかな宮島の形状、反対方向からは廿日市市の穏やかな街並みを見渡すことができる。
フェリーの旅が終わり、宮島に着いたら、嚴島神社の神職の案内による正式参拝と、舞楽の奉納の鑑賞イベントが用意されている。舞楽の奉納は通常祭典時のみ催されるものであるが、瑞風の乗客は特別に楽しむことができるコースだ。日本文化の真髄とも言える嚴島神社。
また一歩、日本人としての誇りを感じられるこの宮島巡礼を、瑞風と一緒にぜひ満喫して欲しい。

嚴島神社の舞台での舞楽奉納を鑑賞できる。

DINNER & NIGHT TIME

上質な夜のひと時

日本屈指の巡礼地である宮島観光コースを終えたら、瑞風は次の停車駅である尾道へと向かう。
道中のディナーで味わえるのはミシュラン三つ星、誰もが知る京都の名店「菊乃井」のコース料理である。提供される料理は鍋を中心とするコース料理で、揺れる列車の中でお鍋が頂けるよう、鍋は専用に開発されたものだ。伝統的な京料理に独創的な料理法を組み合わせる「菊乃井」のコースは、瑞風の道中に豊かな彩りを加える。
ラウンジカーのバーももちろん本格的で、瑞風のために考案されたオリジナルカクテルも頂ける。食事を楽しんだ後は、ぜひラウンジで音楽の生演奏を就寝前に鑑賞しよう。ザ・スイートのゲストは事前にお気に入りの曲のリクエストも可能。お気に入りの曲に浸りながらお酒を楽しむのも可能だ。一連の夜のコースは、まるで列車の中であることを感じさせない、そんなひとときだ。

HAJIME CRUISE AT ONOMICHI

唯一無二の食

「山陽上りコース」2日目の朝は、瀬戸内海を横目に味わえる朝食からスタートする。内容はレストラン「HAJIME」の西洋料理。ミシュラン史上、世界最短で三つ星を獲得した、イノベーティブレストランだ。予約が取れないことでも有名だが、HAJIME の朝食コースが頂けるのは瑞風だけ。

「HAJIME」のオーナー米田肇氏が
監修するランチ。
「PATISSIER eS KOYAMA」の
小山進氏監修のアフタヌーンティー。

朝食後は話題のリゾート、「ベラビスタ スパ&マリーナ 尾道」へ向かう。豪華クルーザーでのクルージングと、目の前に広がる瀬戸内海の絶景を堪能できる。
昼食は朝食に続き「HAJIME」のコース料理。世界を代表する100人のシェフにも選ばれた米田肇氏の独創的で壮大なコース料理を、なんと列車内の自室で頂くことができる。
旅の最後を締めくくるのは、兵庫の名店「パティシエ・エス・コヤマ」のアフタヌーンティーだ。最終地点である京都に向かいながら、移りゆく車窓とくつろぎの時間を楽しんで欲しい。

MIZUKAZE HOSPITALITY “OMOTENASHI”

おもてなし

瑞風の旅では、日本の繊細なおもてなしの文化が随所で感じられる。特にラウンジカー(5号車)は、バーカウンターや立礼式の茶の卓を備えており、瑞風のおもてなしのための車両とも呼べる存在だ。
木を多用した落ち着いた空間で、茶の卓では茶道本来の手順である立礼でのおもてなしを受けられる。また車内では、ドリンクなどの注文が 24時間対応というホスピタリティだ。

事前に記念日を伝えておけば、
スイーツでお祝いのメッセージも。
特別な時間を過ごしてもらいたいという
クルーのおもてなしを感じる。
バーカウンターでは瑞風のために
オリジナルカクテルをオススメしたい。
バーテンダーが考案した、瑞風カラーに
金箔をあしらった華やかなドリンク
「MIZUKAZE」。

そして何より素晴らしい瑞風のホスピタリティは、クルー達の「おもてなし」の気持ちだろう。美おもてなし意識溢れる佇まいのクルーたちのおもてなしは、ゲストに疲れというものを全くと言っていいほど与えさせない。シワ一つない制服に身を包み、いつも背を正した真摯な対応には、感動を覚えた。彼らの制服は日本を代表するデザイナーの一人である、稲葉賀惠氏のデザイン。生地からオリジナルというこだわりで、瑞風のイメージカラーであるグリーンに、黒の糸が織り込まれている。瑞風の車両デザインと同じく、ノルスタジック・モダンをコンセプトにしており、伝統や懐かしさを感じるが洗練されている。クルーの皆さんがどこか親しみやすいのは、制服の素晴らしさも一端を担っているのだろう。出迎えから食事のサーブに至るまで、その接客は温かく品に溢れていて、瑞風に一度乗車すると思わずその世界の虜になってしまう。

そして、旅が終われば思わず、またその世界へ戻ってきたいと感じさせるレベルの高さだ。プロ意識の強い、瑞風のクルーであるからこその「おもてなし」のクオリティを感じる。おもてなしの国日本が誇るホスピタリティーの最高峰を瑞風で体験してみてはいかがだろうか。

京都駅から乗車の場合、旅は瑞風専用ラウンジからはじまる。ドリンクやスイーツも瑞風オリジナル。瑞風カラーのスーツケースに模したBOX型のスイーツは京都北山のマールブランシュのオリジナル。ファシリティもサービスも一つ一つ全てが瑞風専用だと感じる。

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