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一夜限りの特別ディナーコース

SECRETO × CROSSOM MORITA

プロジェクションマッピングを取り入れ、焼肉店の常識を覆し続ける「クロッサムモリタ」。
2017年11月にオープンして以来、確かな技術とパフォーマンスで好評を博す「セクレト」。
某日の夜、人気店のオーナーシェフ同士がタッグを組み、交互に料理をふるまう夢のようなディナーが行われた。招待されたのは、それぞれの店に選ばれた顧客のみ。小誌では、コラボレーションに至るまでの経緯と、二人のスターシェフの繋がりについて尋ねた。

「SECRETO」
OWNER CHEF
薮中 章禎

「CROSSOM MORITA」
OWNER CHEF
森田 隼人

1975年生まれ。国内のホテルやレストラン勤務を経て1999年に海外へ渡る。フランス「ル プチニース」、スペイン「エル ブリ」「ドスパリージョス」などのレストランで修行を積み、帰国後にマンダリンオリエンタル東京の「タパス モラキュラーバー」で副料理長を務める。2017年10月に「セクレト」をオープンする。

1978年生まれ。六花界グループの代表兼オーナーシェフ。東京初の立食い焼肉店「六花界」、日本一予約の取れない焼肉店「初花一家」、プロジェクションマッピングと和牛、酒を融合させた「クロッサムモリタ」など、さまざまな店舗を経営。多彩な才能を持ち、プロボクサー、モデル、建築デザイナーとしても活躍する。

常に目指しているのは、
圧倒的にお客様の好奇心を越え続けること。

料理は人を喜ばせるためのツール。
お客様との信頼関係を築くのが大切。

__まずはお二人の出会いを教えてください。

薮中:マンダリンで働いていた時に、目の前に座られていた方が見覚えのある方だったんです。コースが終わった後に名刺交換をさせて頂いて、家に帰ってからそれを見たら、数年前にテレビ番組で知り、ずっと気になっていたお店のオーナーシェフ! それ以来連絡を取り、お付き合いさせて頂いています。「セクレト」も森田さんに設計して頂きましたし、ここをオープンする前には「クロッサムモリタ」で働かせて頂いたこともあるんです。お店の設計をしてもらった方と一緒に、料理の盛り付けをするという経験はなかなかないですよね(笑)。

森田:薮中さんとの出会いは本当に劇的なものでしたね。僕は、あるシェフからご紹介頂いて会いに行ったんですが、彼はその当時から明るい目をしていて少年のような顔をしていました。「セクレト」を設計する時に一番考えたのは、3年後、5年後と、彼がずっと楽しく笑顔で、お客様を喜ばせられる空間を作りたいということですね。

__4年の付き合いとは思えないほど、お二人の深い関係性が伝わってきます。

森田:社会人になって、これだけ深く付き合う人はなかなかいないですよね。本当に友達のような関係性なので、一緒に仕事をできるのも嬉しいです。

薮中:森田さんと出会ってから、マンダリンを辞めて、「セクレト」を作って……そういう意味では、本日のコラボレーションはようやく念願が叶ったという感じです。

__今回のスペシャルディナーは、いつから計画されていましたか?

森田:「セクレト」がオープンする前、まだうちの「クロッサムモリタ」で薮中さんが働いていた時から、「絶対にやろうな!」と話していました。

薮中:そうなんです。じつは昨年から日にちは決めていたんですが、お客様にはシークレットにしていました。

森田:コンセプトに沿って、交互に料理を出して行く形式と、お互いのお店で一回ずつ2デイでやろうと決めていましたね。面白いのは、お互いにどんなお客様が来られるか知らないこと。本日「セクレト」に来られた方を僕は知りませんでしたし、明日「クロッサムモリタ」に来られる方を薮中さんは知らないんですよ。

__Wシェフのディナーというのは、なかなないですよね。

森田:そうですね。面白かったですね。

薮中:コースの全てを一人でやると大変ですし、本日も16品を半分ずつやることで余裕もできましたし、1品ずつの料理により集中できました。

森田:一食にかけられる時間が倍になることで、凝った料理を出すこともできるんですよね。

__こだわり同士がぶつかって揉めたことはないのですか?

森田:ないですね。

薮中:お互いのアイデンティティをわかっていますからね。

__お互いのお店のスタイルにはどんな印象をお持ちですか?

森田:いわゆる有名店の中にもさまざまなカテゴリーがありますが、「セクレト」は強いですよ。バズっているわけではなく、シェフへの信用があって、なおかつ料理も美味しいし、コンセプトもしっかりしている。薮中さんには、強い柱が何本もあるんですよね。

薮中:森田さんにもいつも言うんですが、「世の中で圧倒的なお店はどこか?」と尋ねられたら、間違いなく「クロッサムモリタ」と答えます。昨年、実際に働かせて頂いて度肝を抜かれました。言葉で説明するのが難しいですが、とにかく圧倒的で刺激を受けました。やはりプロとアマチュアの差は、圧倒的かどうかというところですよね。

森田:僕らは常にそうですよね。出会ってから共に目指しているのは圧倒的なお店。食べて楽しんで、「あぁ良かったな」というより、「なんだったんだろう!」と驚かせて感動させたいです。

__お二人の料理の美学には沢山の共通項があるということですね。

森田:そうですね。薮中さんもシェフであり、演出家であり、クリエーターでもあります。料理だけをずっと突き詰めて食材の声を聞くことができたとしても、それだけではお店が流行らないこともあります。本当に色々なバランス感覚が必要なんです。僕は食は平和の象徴であり、戦争を止められると本気で思っています。一番最小単位の戦争は兄弟ゲンカだと思うんですが、その時にお母さんがおにぎりを持ってきてくれたら喧嘩も終わると思うんです。でも、これは信頼のあるお母さんだから良いんですよ。レストランも同じで、お客様との信頼関係を築くのが責務なんですよね。

薮中:信頼関係を築くことで、お客様がレストランへ来られた時に、少しでも前向きになったり、嫌なことを忘れて元気になってもらえると嬉しいですからね。

森田:料理は人を喜ばせるためのツールなんですよね。うちのお店はよく会員制と言われるんですが、じつはそうではなくて。お客様がいつ来られて、どういうものを食べられて、何を美味しいと言われたのかをすべてインプットしていて、そのデータをもとにサービスを作り上げているので、その人のことがわからないと100%のおもてなしができないと思っているんです。

薮中:それはうちのコンセプトにも通じています。常に、お客様の好奇心を続けていたいですね。

__次にお二人でコラボレーションされるとしたら、何をやりたりですか?

薮中:明日のこともわからないような感じなので、その時の気分に任せます! 逆に、どうなっているのか楽しみですね。

森田:薮中さんとはぜひ一緒に海外へ行って現地で交通費を稼ぎたいですね! 日本でも当然やるとは思いますが、一度は海外で共演してみたいです。

INFORMATION
SECRETO×CROSSOM MORITA
SECRETO
03-6265-3664
11:00~21:00

CROSSOM MORITA
一般非公開
東京神田六花に問い合わせ
Tel:03-3252-8644
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