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ヒルトン コンラッド・ホテルズ&リゾーツグローバルブランドヘッド兼 アジア太平洋地域ラグジュアリー&ライフスタイル部門副社長

ニルス‐アーン•シュローダー氏

情熱こそが、卓越した ホスピタリティを生み出す

若くしてホテリエになる夢を抱き、その夢に向かってひたすら歩み続けてきた。ヒルトンというホテル業界の巨人のトップ・ラグジュアリー・ブランド戦略を打ち立てるにあたり、その照準は進化し続けるゲストのハイパー・パーソナライズへの欲求を満たすことと語る。現代最先端のホテリエが提供しうるサービスの源泉は果たしてどこにあるのだろうか。

ヒルトン コンラッド・ホテルズ&リゾーツグローバルブランドヘッド兼
アジア太平洋地域ラグジュアリー&ライフスタイル部門副社長
ニルス‐アーン・シュローダー氏

開業してわずか3 年で世界のトップ・ラグジュアリー・リゾートの一つとして高い評価を得たウォルドーフ・アストリア・モルディブ。左が最新にしてモルディブ最大のプライベート・アイランド。

究極のパーソナライズで差別化

誰もが一度は耳にしたことがあるヒルトンブランド。その歴史は実に100年以上を誇り、その中で醸造された確かなサービスと他にないエクスペリエンスが強みである。そのヒルトンでは三つのラグジュアリーブランドが展開されている。それが、ウォルドーフ・アストリア・ホテルズ&リゾーツ、LXRホテルズ&リゾーツ、コンラッド・ホテルズ&リゾーツだ。世界でも人気のあるディスティネーションが多く、他にはないエクスペリエンスとパーソナライズしたサービスを提供することで知られている。それぞれは異なる特徴を持つが、ヒルトンは各ブランドの特徴について、次のように位置付けている。ウォルドーフ・アストリアは世界中のランドマークとなる場所にある象徴的なホテル・リゾートで、ワールドクラスのダイニング体験、そして生涯忘れられないエクスペリエンスを提供する存在。LXRは独立したラグジュアリーホテルのコレクションであり、それぞれのホテルには独自のストーリーがある。エレガントでありながら、その土地の歴史や文化に触れることができ、各エリアの「らしさ」を体験することを特徴としている。そしてコンラッドは、現代の旅行者のためのホテル・リゾートであり、アート、デザイン、テクノロジーを融合させ、直感的にニーズを察知し、各ゲストにパーソナライズされた滞在を提供することが信条だ。全てのブランドにおける共通項として、パーソナライズが挙げられるが、ヒルトンは、ラグジュアリーという概念の中心に究極のパーソナライズを掲げている。視覚的な華やかさ、精神的な充実、そして感動的な瞬間。そこには、旅行者に応じた十人十色の景色が広がっている。2020年に始まったパンデミックは、世界の旅行需要を低迷させた。しかし、しばらくすると、ラグジュアリー・トラベラーの“旅行欲”は以前にもまして強くなり、需要にも少し変化がでたという。「閉塞感からの解放を求めるゲストは、ヒルトンが開発を続ける遠隔地リゾートでの休暇を求めてきたのです。全世界においてヒルトングループはいち早く独自の厳しい衛生基準を設け、清潔と安全性のプロトコルを徹底的に強化にしました。有事へのスピーディーかつ的確な対応はヒルトンの100年以上にわたるホテル運営の経験によるものです。その上、ヒルトンのラグジュアリーブランドは広大なエリアにゲストの数が絞られているのが特徴です。これまで以上にディスタンスが重視される昨今、確実なプライベートが約束されたステイは必要事項とも言えるでしょう。そこにさらにゲストのリクエストに応じてオーダーメイドの旅を提案することが我々の務めです。例えば、『ウォルドーフ・アストリア・モルディブ・イターフシ』に2021年1月、モルディブ最大のプライベートアイランド『イターフシ・ザ・プライベート・アイランド』をオープンさせました。こだわりを持つゲストのために、専属のチームがあらゆるニーズを予測し、どんな望みも現実にするエクスクルーシブの極みです。パンデミックは旅行業界の景色を一変させましたが、我々にとっては新しく考える機会となったと思っています。ヒルトンが掲げる“地球という星をおもてなしの心で温かく照らし続ける”というビジョンのもと、更なる進化を遂げる機動力となりました。」

最新にして最先端リゾートとは

「ウォルドーフ・アストリア・モルディブ・イターフシ」は今の時代に即した類を見ないエクスペリエンスを提供する場と言っても過言ではないだろう。開業からわずか3年で、世界のトップ・ラグジュアリー・リゾートの一つとして国際的な評価を得ており、2021年1月には、リゾート内にモルディブ最大のプライベートアイランド「イターフシ・ザ・プライベート・アイランド」をオープンした。ここは無限の可能性を秘めた32,00㎡の広さを誇るモルディブ最大のプライベートアイランドで、1グループのゲストのみで全てを貸切にできるのだ。まさに比類なき究極にパーソナライズされた島である。そして、このリゾートにおけるフード・エクスペリエンスについて語るとき、インタビューの中でも自然とシュローダー氏の表情に熱が入った瞬間だった。「ラグジュアリーな旅行に不可欠な要素として、フード・エクスペリエンスは外せないと考えています。とりわけウォルドーフ・アストリア・ブランドでは、卓越した美食を提供することをマストと考えており、例えば、『ウォルドーフ・アストリア・モルディブ・イターフシ』においては、中国料理、中近東料理、日本料理も含めた11ものダイニングを備えています。いずれもイノベーティブであることをコアにしており、吟味された食材を高度な調理技術で細部にもこだわり抜いた空間で召し上がっていただく。他にはないユニークな食体験を楽しんでいただけると自負しています。」究極のパーソナライズを提供するためには、ゲストにとって、多くの選択肢がなければならない。このリゾートは部屋、体験、食においてもゲストが思い思いに選択できるというパーソナライズが既に用意されているのだ。

京都での新たな挑戦

2021年9月16日、京都洛北、鷹峯三山が眼前に迫る山深き絶景の地に、ヒルトンのアジア太平洋地域初進出となるラグジュアリーブランドホテル「ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts」がオープンした。世界で9軒目となるLXRを冠するホテルであり、鷹ヶ峰、鷲ヶ峰、天ヶ峰の三座を総称した鷹峯三山を借景に、一つの絵のように美しい景観を描く中庭や水盤が広がる。ホテル名の「ROKU」は紙を漉く「漉(ろく)」という言葉に由来し、敷地内に流れる天神川がかつて紙屋川と呼称されていたことにルーツを持つ。「LXRホテルズ&リゾーツは、個性溢れる唯一無二かつ至高の体験をゲストにご堪能いただくために誕生しました。これまでにない体験や冒険を求める感性豊かなゲストのためにデザインされたLXRは、一つひとつ細部にまでこだわり、洗練されたアメニティはもちろん、その土地の素晴らしさを満喫しつつ贅沢なひとときを過ごせる空間を提供しています。ROKUKYOTOでは京都・洛北の伝統や静謐さが感じられ、この土地ならでは価値ある体験をゲストに提供したり、また建築や料理に至るまでホテルのあらゆる場面において視覚的にその文化が織り込まれていす。」このホテルは、「Dive into Kyoto」をコンセプトに、京都の粋を感じさせる意匠や伝統工芸を活かしたアートワークなど、随所にLXRブランドの息吹が吹き込まれている。この地ならではのラグジュアリーを享受し、知られざる京都の奥深い魅力に浸ることができるだろう。まさに美を愛でるための空間であり、京の魅力をホテルという形に写している。京都での新たな挑戦は始まったばかりだが、今後東京および大阪でウォルドーフ・アストリア進出も控えており、シュローダー氏の飽くなき探究心は留まるところを知らず、日々進化を続けている。ゲストもラグジュアリーへの渇望が続くように、それに答え続けるシュローダー氏の熱意とラグジュアリーの提案も進化し、続いていくのだろう。

Nils-Arne Schroeder


アジア太平洋地域のヒルトンのラグジュアリー&ライフスタイル担当副社長、コンラッドホテルズ&リゾーツのグローバルブランド・ヘッドを務める。以来30年以上に渡って世界中の様々な国で経験を積み、20 年以上をヒルトンで過ごしている。インドネシアと東ティモールの地域総支配人を務める間にアジア太平洋市場の理解を深め、その後コンラッドソウル、ヒルトン北京王府井などの開業に携わり、いずれも世界有数のホテルへと導いた。現在は、シンガポールにあるアジ
ア本社を拠点に、世界5 大陸で現在開発中の22 軒を含む約60 軒のコンラッド・ホテルズ& リゾーツを統括すると同時に、アジア太平洋地域のラグジュアリーおよびライフスタイル部門副社長として、ウォルドーフ・アストリア・ホテルズ&リゾーツ、LXR ホテルズ&リゾーツ、コンラッド・ホテルズ&リゾーツ、キャノピーby ヒルトンのホテル運営の責任者を務める。

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