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ヴェネチア 仮面舞踏会

Venice Carnival 2024

非日常を祝う、華やかなる祝祭日

かつて栄えた海に浮かぶ都市ヴェネチアでは毎年カーニバルの時期になると豪華な衣装と仮面に身を包んだ人々で賑わう。ヴェネチアでは、昔から仮面の下では国籍や人種、階級など一切問われない、非日常に切り替わる特殊な衣装だった。この時期は華やかな仮面舞踏会も連夜行われ、眠る時間もないほど。カーニバルのヴェネチアを楽しみ尽くそう。

北イタリアの「水の都」と呼ばれる古都ヴェネチアが毎年一番賑わう時期が冬のカーニバルだ。これは毎年2月末から3月にかけて2週間行われる祭典で、華やかな衣装と仮面に身を包んだ人々が街中を埋め尽くす。リオデジャネイロ、トリニダードトバゴと並ぶ世界三大カーニバルのひとつだがその歴史は古く、ヴェネチア共和国時代の1162年に遡る。ヴェネチア湾を挟んだ北イタリアのアクイレイアとの戦いに勝利した際、ヴェネチア市民達は街の中心であるサンマルコ広場に集って踊り始めたのがはじまりだとされている。中世のヴェネチアでは階級によって服装や振る舞い、会話をして良い相手などが制限されていたのだが、カーニバル期間中だけは仮面をつけ、華麗な服装を着ることで自由に振る舞ういわば無礼講とされ許容されるようになったのだ。

ルネサンス期になるとヴェネチア・カーニバルは公式行事となり、18世紀にはヨーロッパ中から人々が集まる絶頂期となった。しかし、そうした伝統が終焉を迎えたのはナポレオンによってヴェネチア共和国が解体された時、治安維持を理由に仮面の着用やカーニバル自体も禁止されたからだ。200年近い年月を経てヴェネチア・カーニバルが再開されたのは1979年のこと。ヴェネチアの歴史と文化を復活させようとしたイタリア政府がカーニバルの大々的な復活に取り組んだのだ。以来、毎年カーニバルの時期にはヴェネチアに300万人の人々が訪れる。近年ではオーバーツーリズムがなにかと話題になるヴェネチアだが、そのきっかけはカーニバルだったのである。

現在のカーニバルでは仮面コンテストなどさまざまなイベントがあるが、最大級の仮面舞踏会が「イル・バッロ・デル・ドージェ」だ。これは期間中の土曜の夜、1日限りで行われる特別な仮面舞踏会で、アメリカのABCでは「一生に一度は体験すべき 10 の体験」に選ばれたこともある。これは世界的に有名なスタイリスト兼イベントプランナー、アントニア・ザウターが考案、主催するイベントで仮面舞踏会というスケールを超えた総合芸術。豪華な舞台には世界各国からのアーティストが参加し、ガラディナーやフィナーレを飾る豪華な仮面舞踏会華やかなパフォーマンスが行われる。また、参加者のドレスコードも非常に厳しく伝統的な仮面舞踏会にふさわしい衣装を身につけたゲストのみが入場を許されるのだ。

選ばれたゲストだけが参加できる仮面舞踏会へ

「Glass Slippers Ball in the Glass Cathedral」もまたヴェネチアを代表する仮面舞踏会だ。これはヴェネチアン・グラスで有名なムラーノ島の「ガラスの大聖堂」で行われる豪華なイベントで、内部にはムラーノ島の伝統である手拭きガラスのシャンデリアが圧倒的な存在感を放つ。まずはガラス職人の実演から始まり、ガラディナーやさまざまな音楽パフォーマンスが行われ、DJセットは午前3時まで続く。ドレスコードはもちろんヴェネチア・カーニバルにふさわしい衣装が求められ、食事中以外は仮面を外してはいけないルールがある。

もうひとつ「At the court of the Great Khan」もやはりアントニア・ザウターのプロデュースによるヴェネチア・カーニバル2024年公式ディナーショー。「フビライ・ハンの宮廷で」という意味にもあるように、これはヴェネツィア出身のマルコ・ポーロの東方への旅がテーマ。ペルシャやトルコ、インドなどマルコ・ポーロが訪れた国々の味や香り、音楽、踊りなど全てが異国風で統一されており、時を超えて、かつてマルコ・ポーロが体験したような宮廷での食事会を思わせる演出だ。

セントレジス ヴェニスで楽しむヴェニスの休日

最後に2024年「イル・バッロ・デル・ドージェ」の会場となったホテル「セントレジスヴェニス」を紹介しよう。「セントレジス ヴェニス」はヴェネチアの大動脈と呼ばれる大運河 カナル・グランデに面している18世紀の歴史的建造物を改装したラグジュアリー・ホテルだ。客室は全部で169室で、その内スイートルームが39室を占める。

TOPの写真と似ているので他があれば

3つのベッドルームとバスルームを備えた「ペントハウス・スイート」はホテル最上階にあり、プライベートテラスからは運河の対岸に立つサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会が見える。これはペストの終焉を記念して1681年に完成して建てられたバロック様式の教会で、ペストが猛威をふるった頃、ヴェネチアでは医師は患者と接触しないよう仮面をつけたことがカーニバルの仮面の始まりとも言われている。

サンタ・マリア・スイート

教会の眺めを楽しむなら「サンタ・マリア・スイート」もいいだろう。運河を見下ろす広いテラスでは夕暮れ時のアペリティフが欠かせない。テラスの写真があれば

食事はメインダイニングの「Gio’s Restaurant and Terrace」へ。ここでは伝統的ヴェネチア料理に一手間加えたモダンかつオリジナル料理が味わえる。

食事の写真変更


「St. Regis Bar」は本来のバーの使い方だけでなく、食事も楽しめ、どの席からもヴェネチアの素晴らしい景色が堪能できる。「Arts Bar」は落ち着いた大人の雰囲気の本格的バー。ヴェネチア伝統のカクテルやグラッパなど、イタリアが誇る美酒の数々を味わえる。

急にバーの紹介で文章が終わってしまっている

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