1. TOP
  2. JOURNEY
  3. Tierra Patagonia
INDEX
目次

ティエラ・パタゴニア

Tierra Patagonia

天を衝くパイネ山との邂逅
広大無辺な大地に現れた壮観ロッジ

広大な草原に悠然と横たわるロッジ。窓からは雪をいただくパイネの山々の美しき姿を真正面に捉える。この眺めは夢か現か。どれほど見つめても足りぬと思わせる、これぞ真の絶景。地上に残された最後の楽園だ。

青い水を湛えた湖の向こうに雪を頂く峰々が天に向かって聳える。大地には常に風が吹き、灌木が地を這うように覆っている。ここは地球に残されたフィニス・テラエ(最後の地)だ。「ティエラ・パタゴニア」はトーレス・デル・パイネ国立公園の東端サルミエント湖畔に佇み、湖の先に三つの塔(トーレス)のような切り立った岩峰、そして標高3050mの雄大なパイネ・グランデ山を正面に望む。

ティエラ パタゴニア |トーレス・デル・パイネ国立公園 チリ

パタゴニア広しといえど、これを超える絶景ロケーションはそうそうないであろう。チリ人建築家が設計したホテルの建物は、草原に埋もれるように低く、曲線を描きながら横へと広がっている。風の大地と呼ばれるパタゴニアの自然を表現したのだという。使われている木材は当地原産のレンガ(パタゴニアンチェリー)で、風雨に洗われると独自の銀色になる。あたかも動物が身を隠すかのように周辺の景色にすっかり溶け込んでいるのだ。このホテルはパタゴニアの大自然を満喫することを念頭にあらゆることが整えられた。冒険旅の“基地”といえよう。トレッキング、乗馬、野生動物、ウォッチングなどのアクティビティを楽しみ、そして夜は快適なリラクゼーションに耽る。スパで体をほぐし、暖炉の火を眺めながら微睡むのもいいだろう。しかし何よりも心を癒すのは、窓からの景色だ。ゆっくりと宵闇に沈んでいく山並みは、至高のナイトキャップである。

TIERRA PATAGONIA IN
TORRES DEL PAINE

眼前には圧倒される大地
木の温もりに包まれた壮麗なディティール

床や天井の木の色に合わせ、ナチュラルなトーンで統一されたラウンジ。
ところどころに置かれた地元伝統の家具や小物がユニークなアクセントになっている。
日が陰ると薪ストーブの周りに自然と人が集まってくる。
一日の終わりを静かな語らいで締めくくりたくなる温かな空間だ。

都会と自然の中では価値観が変わってくる。例えば、時間の過ごし方。無駄なく移動し、物事をテキパキと進めることに価値があるのは都会での暮らし。一方、自然と対峙する時は、その一瞬一瞬を慈しみ、大切な思い出として体の中に刻み込んでいくことに重きを置く。ティエラ・パタゴニアでの滞在はまさしく後者である。

もたれるようにベッドに横たわり、天井まで届く窓からの景色をひたすら眺める。低い目線で草原の大地とサルミエント湖、その向こうに雄大なパイネの山々という景色を独り占めする贅沢。しっかりと目に焼き付けて心の栄養にしよう。


朝、目覚めると窓の向こうにはパイネの山々の雄姿が見える。晴れていればその鋭い稜線がくっきりと、天候が荒れ模様だとしてもドラマチックに移り変わる自然のエネルギーを感じることができる。ベッドから身を起こし、しばしこの大自然劇場を堪能することこそ、最上の贅沢と言えよう。だからゲストルームは全て窓を主役にしている。とりわけスイートは一階のベッドルーム、そして二階のリビングルームも視線が外に向かうように設えられている。

インテリアは木をふんだんに使い、自然の木の枝ぶりを活かしたオーナメントも含め、徹底的にウッディな世界だ。戸外と屋内が一体となり、いつも自然の懐に抱かれている感覚に陥る。しかも、ゲストルームに限らず、ダイニングルーム、ラウンジ、そしてスパに至る全てが、このコンセプトのもとに作り上げられている。ゲストルームよりも一段と大きな開口部が雄大なパノラマを繰り広げ、滞在中は常に山と湖を感じられるのだ。

ベッドルーム越しに窓の外の景色を眺めるバスルーム。ベッドルームやリビング同様、天然木をふんだんに使用しており、ほどよく外界を感じながらもインティメイトを大切にした心地よい空間だ。体の隅々が整うのを感じる。

特にスパでは、温水プールに入りながらサルミエント湖越しのパイネ・グランデ山を眺めるという、文字通りオンリーワンの体験が待っている。

ティエラ・パタゴニアに滞在する理由はスパの充実ぶりにもある。大きなガラス越しにトーレス・デル・パイネを眺める温水プール、スチームサウナ、そしてテラスのホットタブなどを順に使いながら、体のリズムを整えていく。
100%自然素材のトリートメントやマッサージも楽しみたい。

天候が許せば外のテラスのホットタブに浸かるのもいい。時折通り過ぎるグアナコの散歩姿を見ながらのスパタイムはちょっとしたエンターテイメントだ。日中は外でリアルなアウトドアライフを満喫し、朝と夕は眼に映るアウトドアを楽しむ。ティエラ・パタゴニアにステイする真の魅力はこれを置いて他にない。

空を映し青い水を満々と湛えるサルミエント湖とパイネ・グランデの雄壮な姿を正面に
見据える絶好のロケーション。ロッジはこの大自然に完璧に溶け込み、
太古の昔からそこにあったかのような風情すら漂わす。
ベッドルームの上のメゾネットはリビングスペース。有機的な線を描く天井はまるでコクーンの中にいるかのように守られている感覚をもたらす。抑えた照明、自然の木を生かしたオーナメントなど、窓の外の世界との絶妙な均衡を演出している。
パブリックスペースは基本的に仕切りがなくシームレスに広がっている。オープンでそれでいて落ち着いた雰囲気が全体に漂う。そしてどこにいても雄大な風景がすぐそばにある。TVのないこのホテルでは自然との対話が最高の娯楽なのだ。

Romantic Dinner

パタゴニアの草原の中で、雄大なパイネ・グランデ山を眺めながらの食事はいかがだろう。風が常に吹き、天候も変わりやすい当地では夏でもなかなか実現は難しいが、運が味方をしてくれたら是非ともトライしてみたい。

これほどドラマチックな体験は人生においてそうあるものではないからだ。アペタイザー、メインそしてデザートと進むうちに、眼に映る景色も風と雲によって表情を変える。窓越しに見るよりもダイレクトに自然の動きが感じられ、まるで自然の一部になったかのような気分が味わえる。それは必ずや生涯忘れ得ぬ思い出となるだろう。

アクティブに活動した後はやはり美味しい料理でエナジーチャージしたい。ティエラ・パタゴニアでは、チリ伝統の郷土料理をベースに現代的な感覚でアレンジを加えたシンプルで滋味溢れる皿が楽しめる。南米といえば羊や牛などのアサード(炭火焼き)が有名だが、それに留まらず、じっくり煮込んだスープやオーブン料理といった家庭料理が実は非常に充実している。

素材はすべて地元の農園から届くものを使用しており、遠方から珍味を取り寄せるようなことはコミュニティとの共存、そしてカーボンフットプリントの観点からも良しとしない。新鮮そのものの野菜や香草を使い、丁寧にコンソメを引いてスープの下地に、またソースにして肉や魚にさらなる旨味をプラスする。奇を衒わないしみじみとした味わいは、窓から見える豊かな自然の景色と絶妙にマッチする。

Restaurant

レストランはラウンジを始めとするパブリックスペースと同様、シームレスにつながっている。仕切りがない広々とした空間で、窓からは雄大な景色を堪能できる。また、レストランからはテラスに出ることもできる。テラスからそのまま湖まで散歩するもよし、テラスでワインをお供に景色を眺めるもよし。気の向くままに自由な時間をひたすら満喫したい。

Terrace

大地の恵みを堪能しているという幸福感に心が満たされていくのを実感するのだ。メニューにはチリ料理の他に、イタリアンを始め、インターナショナルなエッセンスを加えたものやベジタリアンもある。毎日変わるので飽きることはない。それどころか、日本ではあまり出会う機会のない素材の使い方、調味のバリエーションの多彩さの虜になってしまうほど。さらにディナー前のアペリティフのひと時も忘れてはいけない。暖かなストーブの傍で、夕闇の色に似ていると言われる南米原産のベリー、カラファテを使ったカクテルをゆっくりと味わう。窓の外は次第に昏れなずみ、薪の爆ぜる音と人々のざわめきが心地よいBGMを奏でる。パタゴニアの夜は、昼とはまた違う深い歓びに満ちている。

CocktailTime

一日の終わりはバーラウンジで。ラウンドカウンター、あるいは窓辺のカウチに陣取り、今日はワインにしようかカクテルにしようかとひとしきり悩む。パタゴニアの夜の始まりだ。

Looking for the unseen view.
Enjoy more of PATAGONIA

自然の中でのびのびと生きる動物たちの姿は、感動を与えてくれる。南パタゴニアの希少な野生の命、そして、伝統の暮らしに深く根ざした牧畜。いずれにおいても、見るものの心に慈愛を呼び覚まし、忘れ得ぬ体験となる。

Picnic Lunch

愛嬌たっぷりのグアナコ、しなやかな野生美のピューマ、飛べない大型の鳥レアなどユニークな生き物が生息するパイネ国立公園は、その生態系を守るためにさまざまなルールを定め、ティエラ・パタゴニアも“大地”と自らを名乗るだけあって、その遵守と自然保護の活動を積極的に行なっている。人間の侵入による自然にもたらす影響を限りなくゼロに近づけ、そこに生きる鳥や動物、植物の世界を壊さないことをフィロソフィとするエクスカーョンは、動物をただ観察するだけではない、人間として何ができるのかを深く考えさせてくれる貴重な体験だ。

Adventures of a Patagonia rhea

ハイキングや乗馬といったエクスカーションの他に、さらにスペシャルな体験をしたいというリクエストにもティエラ・パタゴニアは柔軟に応える。例えば、パタゴニアの伝統的な暮らしや文化をダイレクトに知りたいという希望には、当地でエスタンシアと呼ばれる大農場への訪問をオーガナイズしてくれる。

牧羊犬の見事な働きぶりや毛刈りを見学したり、馬に乗って農場を散策したり。さらに望めば羊の群れの中でのピクニックランチも可能だ。臆病だけれど好奇心の強い羊たちとの触れ合いもまた、パタゴニアならではの体験である。野生動物の生態とはまた異なった、人と動物が重ねてきた南米の長い歴史に思いを馳せるひと時だ。

パイネ国立公園は、氷河が作りした山と湖が織りなす稀有な地形が特徴だが、豊かな生態系が保存されていることでも知られている。植物はもとより、鳥や動物も固有の種が多く、また、そうした生き物と時に間近に遭遇することができる。もちろん、野生なので近づきすぎることはご法度、彼らの世界をほんの少し共有させてもらうのである。

Hunters Traile
Puma tracking excursion

Looking for Gray Fox

ティエラ・パタゴニアは動物が多く生息する国立公園内の東側に位置することから、スタッフはどのような種がどこに行けば見られるのかを熟知している。専属のプロフェッショナル・ガイドと行う前日夜のミーティングではデフォルトのハイキングプランに上乗せしてさらに見たいもの、体験したいことを伝えれば、出来うる限り希望を叶えてくれる。例えば、パタゴニアにおける食物連鎖のトップに君臨するピューマは、当地に50〜100頭しか生息していない、まさに希少種で、通常なかなかお目にかかれないのだが、その生態を知り尽くしているガイドの案内で観察すると、周囲の風景に見事に溶け込んでいる美しい姿を目の当たりにすることができる。ライオンやトラとは違う、ネコらしい愛嬌ある仕草を見られたらラッキーだ。

その他にもダチョウに似た大型の鳥レア、(現地語ではニャンドゥー)やキツネ、さらに群れをなして移動するラクダの仲間のグアナコなど、軽く半日のハイキングでも意外なほど多くの動物に遭遇できる。もちろん、もっとディープにパタゴニアを知りたいという人向けのプランもある。氷河、パンパ(現地語で木のない草原)、湖、森、山のパイネ国立公園フルコース、ほとんど人が訪れない湿原や砂漠を行き、山からの絶景を望むコースなどバリエーションは尽きない。どのプランを選んでも、一日の終わりにはホテルでの寛ぎの時間が待っている。心地よい疲労感は満ち足りた気持ちを生む。そんな思いを新たにしてくれる極上の南半球バカンスだ。

Trekking

パイネ国立公園にはさまざまなハイキングコースがある。氷河や湖を見る、草原を行く、山を間近に感じるなど、自分の足だけで訪れることができる場所が無数にある。歩くことでしか発見できない自然をじっくりと堪能したい。

INFORMATION
Tierra Patagonia
INDEX
目次
MAGAZINE
電子書籍
2020 WINTER
- Feel in Nature
- Luxury Lodge
- Okinawa Time
- Tokyo Uodate
電子書籍はこちらから