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レクレイエール

Les Crayères

7ヘクタールの庭園を持つ、
閑麗の館エレガンスを表現したのは、マダムの想い

このホテルの何よりの醍醐味は、 窓から見下ろすその庭園だ。ガーデンの先には、一幅の絵画のようなランスの街並みが広がる。 20室という部屋数に対して、自 然溢れる7ヘクタールのガーデンは音楽祭やホワイトパーティーなど、セレブリティなイベント会場になることも多い。滞在時のおすすめはサンセットタイム。
ディナー前に夕日を眺めながら、シャンパンと共に、愉悦に浸るアペリティフタイムを過ごしてみては。

「シャンパーニュ造りは芸術」という言葉を残したポメリー夫人。 この芸術性と嗜好は、現代になってもランスの地で、レ・クレイエールという愛すべきシャトーが体現し続けていた。

「城に泊まり、庭園を歩く」夢のような生活を堪能できるのが、ランスのランドマークでもある、レ・クレイエールだ。当ホテルの歴史は、 1875年、ポメリー夫人が愛娘のルイーズの婚礼のためにこの敷地を購入し、建設したシャトーに遡る。その後、1900年代に入りピエール・イヴ・ロションの手により、オーベルジュへと改装されている。古き良きフランス貴族の邸宅のようなロココ調の20室の客室、 煌びやかな装飾が施されたレストラン、 7ヘクタールの広大なガーデン。ガーデンにはポメリー夫人が植樹したといわれる木々の合間を縫って小道が続いている。このような高貴かつ雄大な設備を、少しも毀損させずに維持できているのはどうした背景からだろうか。 実はこのポメリー夫人とは、現在飲まれているほぼ全てのシャンパン(=ブリュットスタイル)の開祖となった人物であり、シャンパン業界で ヴーヴ・クリコに並んで称される女性実業家なのだ。シャンパン売り上げ世界第6位という大手メゾンであるPommery社の中興の祖である。 当時のシャンパンはとても甘く、冷涼なシャンパーニュ地方に合わせた糖度の高いワイン、という評価が普通であった。しかし、優れた感性を持っていたポメリー夫人は、「食事に合わせて飲むシャンパン」という新たなビジネスチャ ンスを見出したのだ。実際、当時の最大の貿易国であったイギリスでは、辛口のワインが求められており、ポメリー夫人はここに目を付け た。1874年、当時としては常識外れだった辛口のシャンパンを、周囲の反対を押し切って創り出し、イギリス全土で大流行させることに成功した。これによりヨーロッパ全土に知れ渡った「ポメリー」の名前は、今でも巨大ドメーヌとして残っている。このように自分の感性を信じて貫くという強さが、脈々と当シャトーの変わらぬ美しさと錆びない環境に繋がっているのであろう。中世の貴族・貴婦人たちの肖像画が飾られた壁面を見ながら、品格ある閑麗なマダムの邸宅を味わっていただこう。

Prestige Room

女性なら誰もが憧れるロココ調の天蓋付きのベッド、繊細な刺繍の施されたファブリック。
部屋により、壁紙や絨毯も異なるというこだわりようだ。
真紅の絨毯が艶やかなジュニアスイートや、
ドレスのようなレースがベッドに広がるスイートルーム。
「城に住む」という高貴な気分を味合わせてくれる客室である。

Chef Philippe Mille
ル パルク シェフ フィリップ・ミル

シャンパンの聖地ランスで地元の"テロワール"に実直な一皿を

フランス・ルマン出身。国鉄に勤める父親と看護師の母親の間に長男として生まれる。14歳で地元の調理師学校に入学し、週末はレストランで修業を続けていたらしい。19歳になると、 ベルサイユ郊外の名店「オーベルガード」にて働き始める。オーナーシェフ、 ジャン・ボルディエ氏の元で学び、その後もパリの数々のM.O.F.(フランス 国家最優秀職人章)シェフの元で研鑽を積む。「ドルゥーアン」のルイ・グロンダール氏、「プレ・カトラン」のフレデリック・アントン氏、「ラ・セー ル」のミッシェル・ロット氏、彼らは全てフランスからM.O.F.の称号を与えられている。彼らの元で数々の経験を積んだ、フィリップ・ミル氏はパラスホテル「ル・ムーリス」の総料理長ヤニック・アレノ氏のもとでスーシェフとして、数々の煌びやかな料理を提供してきた。
その後、2010年、レ・クレイエールの「LE PARC」の総料理長に就任し、現在に至る。
当ホテルにて、わずか2年後に2つ星を獲得、 弱冠38歳でM.O.F.の称号を授与される。2017年には自身の名前を冠した 「フィリップ・ミル東京」を、東京ミッドタウンに出店し、更なる躍進を続けている



What is M.O.F.?

M.O.F. とは「Meilleur Ouvrier de France」の略でフランス国家最優秀職人章の称号である。
食、建築、服飾、美容等、200種以上の職業を対象に、フランス文化の継承者にふさわしい、高度な技術を持つ職人に与えられる。フランス国家が与える、名誉ある称号なのだ。特に食の世界におけるM.O.F.は、フランス料理界最高峰の栄誉として知られている。評価ポイントとなるのは、極めてタイトな時間内での手際の良さ、最新・伝統的な調理技術はもちろんのこと、突発的な難題への対応力、創造性、美的センスなど、トップシェフに必要とされる資質の全てである。極めて厳しい選抜試験に合格し、M.O.F.の称号を得た者だけが、名誉あるトリコロールカラー襟のコックコートの着用が認められているのだ。料理部門のM.O.F.には、ポール・ボキューズ、ジョエル・ロブション、ピエール・エルメ、ジャン・ポール・エヴァンなど世界的に著名なシェフやパティシエ達が
その名を連ねている。

Restaurant Le Parc

KrugやRuinartなど、ランス地方はシャンパーニュ好きにとっては憧れの場所だろう。
このランスにおいて、 1,2を争うレストランが「 LE PARC 」である。シェフは弱冠38歳という若さでフランス国家最優秀職人章M.O.F.を授与された注目シェフ、フィリップ・ミル氏。彼が「 LE PARC 」の総料理長に就任した後、僅か2年でミシュラン二つ星を獲得したのは記憶に新しい限りだが、そこに至るのは決して楽な道のりではなかった。 レ・クレイエールは、過去に「 Boyer 」というメインダイニングで、長年ミシュラン3ツ星を維持してきた。だが数年前にオーナーが交代し、 一時期ミシュランの星を失ってしまった。しかし、現シェフのフィリップ・ミル氏が就任後は盛り返し、2012年に2ツ星を獲得し、かつての隆盛が戻って来たのだ。フランスでは、シェフが完全に代わると、ミシュランガイドの星はまた1からのスタートになる。 過去に3つ星を保有していたシャトーが星を落とし、その後就任するのは相当なプレッシャーであったに違いない。そして当時、彼にとってシャンパーニュ地方は初めて料理をする場所であった。更に、同レストランは1000種類以上ものシャンパンを提供しており、生半可では適したマリアージュは生まれない。そこで彼は、とにかくソムリエとともにこの地域を歩き、シャンパーニュ地方そのものを理解することに努めたのだ。情景溢れる景色を眺め、シャンパンを飲む。シャンパーニュ地方の様々のメゾンを訪れ、その魅力を探り続けた。そこで発見したのは、「多様性と個性」だったという。 そもそも、料理というのは画一的に良いとされるものを出せば良いわけではなく、その土地の空気、湿度、気温、合わせるお酒などの数えきれない状況次第で、コンディションが全く変わってしまう。ワインと同じくテロワールで左右される。つまり、一流のシェフとは「与えられたカードの中で、常に最適解を探し続けられる」という資質を備えた者に限られるのだ。このフランス料理界の注目シェフは、まさにそうした努力に余念の無い人物であった。 地元の食材にこだわり、地元の生産者から直接、 最善の素材を手に入れる。そして、全く違う個性を見せる農産物の特性を感じ取り、日々の環境に丁寧に向き合い、シャンパンとのマリアージュを奏でていった。 ミシュラン二つ星までの道のりは、偏に実直なこのシェフの「信念と手厚さ」によるものだったであろう。

Bar La Rotonde

レストランの隣に位置する、バー・ラ・ロトンデ。スコッ チバー風の内装に、背の高い窓から差し込む光がうまく融合している。食前のアペリティフをここで頂くこともできる。また、ディナーのデザートをバーに運んでもらい、上質なお酒と共に夜更けを愉しむのもいいだろう。

INFORMATION
Les Crayères
TEL:+ 33-326249000

ルレ・エ・シャトー日本語センター
0800-888-3326
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